「いいかげんにしなさい!」
つい口にしてしまうこの言葉。だけど、本当に子どもに伝わっているのでしょうか?
私も息子が3歳の頃、思わず言ってしまったことがあります。でも後から振り返って、「で、何をすればよかったの?」って自分でも疑問に思ったんです。
特にASD傾向のある子には、こうした“曖昧な指示”は逆効果。伝えたいことがあるのに、うまく伝わらない。そんなもどかしさを感じたことはありませんか?
今回は、そんな「いいかげんにしなさい」の代わりに使える、「伝わりやすくて前向きな言い換え表現」をまとめました。
「とっさに何て言えばいいかわからない」
「感情的に怒ってしまって後悔する」
そんな方にこそ読んでいただきたい内容です。
参考記事はこちら↓

言い換え①:「いいかげんにしなさい」をやめて具体的に指示する
具体的な行動を指示することが大変重要です。例えば、子どもが部屋を散らかしているときに「いいかげんにしなさい」と言う代わりに、「部屋を片付けなさい」や「おもちゃをおもちゃ箱に入れようね」と具体的な指示を出すことで、子どもは何をすべきかが明確になります。このような具体的な指示は、子どもに対して分かりやすく、すぐに行動に移しやすい環境を作ります。
また、具体的な指示を出すことで、親子間のコミュニケーションがよりスムーズになります。子どもが何を期待されているのかを理解できるようになるため、親からの指示に対する抵抗感が減ります。そして、具体的な行動を褒めることで、子どもの自己肯定感を高めることも可能です。例えば、「おもちゃをちゃんと片付けられたね」と言うことで、子どもは親からの肯定的な評価を受け取り、自信を持つことができます。
言い換え②:叱るより伝える。「感情を伝える」方法
「いいかげんにしなさい」と言う代わりに「今の行動でママは悲しい気持ちになったよ」と感情を具体的に表現することで、子どもはその行動がもたらす影響を認識しやすくなります。親の感情を理解することで、子どもは次回からそのような行動を取らないように気をつけることが増えます。
また、「パパは心配しているよ」と伝えることで、子どもは自己中心的な考え方から抜け出し、自分の行動が他人に与える影響を考えるようになります。これにより、共感力や思いやりの心が育ちます。言葉を選ぶ際には、否定的な表現よりも、自分の感情を伝えるポジティブなメッセージを心掛けることが重要です。
さらに、感情を伝えることで親自身も冷静さを保つことができます。怒りに任せて極端な言葉を使うのではなく、自分の感情を正確に表現することで、感情的なエスカレートを防ぎます。例えば、「あなたの行動がママを本当に困らせたんだ」と具体的に言うことで、自分の感情を子どもに伝えるだけでなく、それが問題に対する具体的な解決策を見つける手助けとなるのです。
言い換え③:「選ぶ力」を育てる。選択肢を与える声かけ
子どもが自分で選べる状況を提供することで、彼らは自分の選択に責任を持ち、考える力を養うことができます。
例えば、お風呂に入る時間や食事の時間に「お風呂に入るか、ご飯を食べるか、どっちがいい?」と選択肢を与えると、子ども自身が考え、自分の行動を決めることができます。これにより、子どもはただ指示に従うのではなく、自分の意思で行動する大切さを学ぶことができます。
また、選択肢を与えることで、子どもの意見を尊重する姿勢を示すことができます。これは、子どもが自分の意見や感情を大切にすることを学び、自己肯定感を高める一助となります。「ゲームをする時間か、読書をする時間、どちらを選びたい?」など、日常生活の中で小さな選択肢を提供することで、子どもが意見を持ち、決める力を養う場面を増やすことができます。
さらに、選択肢を与えることは、親子間のコミュニケーションを円滑にする効果もあります。親が一方的に指示を出すのではなく、子どもと対話をしながら選択肢を提示することで、子どもは親との信頼関係を築きやすくなります。一緒に話し合って決める過程で、親は子どもの考えや感情を理解しやすくなり、子どもも親の意図を理解する機会が増えるのです。
子育てにおいては、選択肢の与え方にも工夫が必要です。選択肢が多すぎると子どもが混乱する可能性があるため、適度な数の選択肢を提供することが重要です。また、選択肢は具体的で現実的なものにすることで、子どもが選びやすくなります。「今日は外で遊ぶか、家の中でゲームをするか、どちらにする?」など、具体的な状況に応じた選択肢を示すことが効果的です。
言い換え④:褒め言葉の力!ポジティブなフィードバックを活用
例えば、子どもがお片付けをした場合、「お片付けできたね、ありがとう」といった具体的な褒め言葉をかけることで、子どもはその行動が良いことだと理解し、次回も同じ行動を取るようになります。また、ポジティブなフィードバックは単に行動だけでなく、態度や考え方にも適用できます。例えば、子どもが友達を助けた場合「友達を助けてえらいね」といったフィードバックを与えることで、人間関係を大切にする習慣も身につきます。
さらに、褒める際には具体的な理由を添えることが重要です。「ありがとう」だけでも良いですが、「一緒にお片付けをしてくれてありがとう、助かったよ!」と言うことで、子どもは具体的に何が良かったのかを理解しやすくなります。その結果、自分の行動が周囲に与える影響を学び、他者を思いやる気持ちも育ちます。
実際の場面でポジティブなフィードバックを与える時は、声のトーンや表情も大切です。フラットな声で「ありがとう」と言うよりも、笑顔で明るい声で伝えることで、子どもにとってより記憶に残る体験となります。また、フィードバックを与えるタイミングも重要です。良い行動をした直後に褒めることで、その行動とフィードバックが結びつきやすくなります。
一方で、ポジティブなフィードバックを多用することには注意も必要です。あまりに頻繁に褒めすぎると、子どもがそれを当然のものと受け取り、フィードバックの効果が薄れる可能性もあります。適度なバランスを保ちつつ、心からの感謝や賞賛を伝えることが大切です。
まとめ:「いいかげんにしなさい」の代わりに、伝わる言葉を選ぼう
私自身もそうでしたが、「いいかげんにしなさい!」という言葉は、自分が親に言われてきた言葉だから、無意識に出てきてしまうことが多いですよね。
でも、子どもの立場で考えると――
何を怒られてるのか分からないし、どうしたらいいかもわからない。伝わらないどころか、不安や不満だけが残ってしまうことも。
感情的になってしまうのは仕方のないことです。
でも、少し冷静になれたとき、「どう言えば伝わったかな?」と考えてみることで、次に活かせるヒントが見えてきます。
今回ご紹介した言い換え表現は、私自身も日々意識して使っている言葉です。すべて完璧にやろうとしなくても大丈夫。少しずつ取り入れていくことで、親子のやり取りが変わっていくのを感じられるはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも「役に立った」と感じたら、ぜひ他のママたちにもシェアしていただけるとうれしいです。
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